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今回はベルトレスパンツ(トラウザーズ)のお話です。
ベルトレスとはベルトを通す事を想定していない、ベルトループが無いパンツのこと。元来、一部の限定された人々の為の仕立服であったスーツは、その人にぴったり合わせてつくられるためベルトをする必要がないものでした。ベルトが登場したのは、スーツが仕立高級服から量産化された時代です。その昔は、良いとされるスーツは金具を使わないものだったのです。(もちろん昔の価値観です)股部分の前立てもファスナーではなく、ジーンズのようなボタンフライが主流でした。ベルトレスパンツは通常、ウェストのヨコにサイドアジャスターが附属します。アジャスターは、同素材のベルトかボタンが主。
ここ3~4年、スーツのトップトレンドにおいて「クラシック回帰」がホットなキーワードなのです。クラシック回帰とは、1920~30年代を礎とする「仕立て服」の考え方を、ファッションとして取り入れる潮流。ベルトレスをはじめとする、テーラーやサルトで仕立てたようなディテイルを取り入れることが最近の大きな流れです。もちろんベルトレスはクラシック(普遍、不変)なものなので、流行には本来は関係ありません。「ずっとそこにあるもの」です。
ベルトレスはオーダーならではの楽しみ。上着に隠れて目立たない場所なので見過ごしがちですが、ベルトレスパンツはスタイルに大きな変化をもたらします。理想のスタイルは、股上少し深め(おへそすぐ下くらい)、そしてワンプリーツ or ツープリーツ(タックのことです)。ベルトレスのウェストからストンと綺麗に落ちるシルエット。言わずもがな、パンツにはセンタークリースラインはしっかり入れてください。少しだけカッタウェイするジャケットのスソの開きと、ベルトのないウェストとのコンビネーションはステキの一言です。
一方で会社や周りのご理解が無く、「ベルトをしていないなんて…」というお声も聞きます。スーツの本来的な意味で正統なのは、ベルトレスなのでご安心を。※もちろんベルトをしたスタイルは、それはそれで素敵なのでご心配なく!
五大陸では一部商品のパターンオーダーにてベルトレス対応可能です。皆様もベルトレスパンツを、周りと差をつける自分のスタイルとして取り入れてみてはいかがでしょうか?私もベルトレスがメインになって以降、ベルトを選んで着用する煩雑さから解放されました…。周りの環境が許せば、是非トライしてみてください!
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