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こんにちは。商品企画の後藤です。去る2019年2月にイタリア・ミラノで開催されたミラノウニカに行ってきました。ミラノウニカは年に2回開催される世界最大級の素材見本展。今回は2020年の春夏に向けた提案でした。その大きな会場の中で、イデアビエラというゾーンがあり、そこにはイタリアや英国などをはじめとするメンズウェアの一流素材メーカーが一堂に会します。私たちにとっては、世界中の優れたサプライヤーと密度の濃いミーティングのできる、非常に重要な展示会なのです。
ここ2~3年、素材トレンドの大きな動きとして出てきているのは、「トレーサブル」「エシカル」な要素をもったもの。出元や工程が透明化された「エコフレンドリー」な素材は、もはや当たり前になってきています。五大陸でも数年前より尾州の機屋さんと共同制作しているJクオリティシリーズもこれに該当。原料のルーツがはっきりと分かり、作り手の顔が見える洋服が、ファストファッションが氾濫する世の中において現在最も求められているのでしょう。
スーツ素材においては言わずもがな、ストレッチや撥水性、通気性、軽量性などの「機能性」は必須項目であるのが現在の大きな潮流です。ここ数年の流れであった英国調は、よりモダンでクリーンな方向になってきています。
五大陸の企画チームは毎回、このミラノウニカに訪れています。世界の素材の動向・潮流をチェックし、主要なサプライヤーと来シーズンの生地について打ち合わせを行っています。打ち合わせは通常、サプライヤーが次に打ち出したい提案を受けることからはじまります。インスピレーションが湧き上がりその瞬間に商品化に向けて進むこともあれば、五大陸のお客様にはちょっと違うな……とドロップされることもかなりあります。
次に新作コレクションをチェックします。この作業を各サプライヤーで繰り返すことで、大きな潮流が見えてきます。チェック柄が多く提案されているな、組織柄が流行しているな、など。気になる素材があればすぐにピックアップして、後日リファレンス(見本素材を小さくカットしたもの)とカラーカード(色見本)を送ってもらいます。そして前回の改善点やお客様の声、五大陸が来季提案したい事などをベースに、五大陸オリジナル素材の打ち合わせを入念にするのです。
五大陸の素材開発は、単にサプライヤーの提案をそのまま受け入れるわけではなく、お客様に「着て欲しい」素材開発を主としています。それは時間がかかり、幾度となく失敗を繰り返すこともあります。しかし、それが完成し美しいスーツになり、お客様に喜んでいただけることが最も嬉しいのです。
まだちょっと先ですが、2020年春夏もお楽しみに。その前に、まずは秋の2019年秋冬ですね。
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