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こんにちは。JR名古屋髙島屋店の池松です。少し間が開いてしまいましたが、今回は昼の正礼装「モーニングコート」についてお話させていただこうと思います。
18世紀の初め頃、ヨーロッパでは、モーニングコートの前身である「フロックコート」が登場しました。
フロックコートは乗馬の際などに長い上着の裾が邪魔になるとの理由から、前裾を斜めに大きくカットした現在の形の原型ができ、「カッタウェイコート」と呼称されました。イギリスなどでは現在もモーニングコートをカッタウェイコートと呼ぶ方もいらっしゃいます。
その後、朝の散歩や競馬鑑賞などで着用されることから、「モーニング・ウォーキング・コート」と呼ばれるようになり、散歩服やビジネスウエアとして発展していき、1914年の第一次大戦を境に昼の「正礼装」に昇格しました。
競馬鑑賞などでドレスアップする文化は現在も続いており、英国の「アスコット競馬場」では、女王陛下が臨席する際のレースでグレーのモーニングコートにアスコットタイといったドレスコードで競馬を楽しむ伝統が受け継がれています。
日本では、天皇陛下がご着用されている姿や、新郎新婦の父親、学校の式典などでの校長先生、叙勲や内閣組閣時の各官僚が着用しているのを見かけるのが多いでしょうか。
後ろ裾の長い黒の上着にグレーかアイボリーのベスト、「コールズボン」と言われる黒とグレーの縞柄のトラウザーズに黒無地か白黒縞柄のサスペンダー、ドレスシャツはウイングカラーかレギュラーカラーの白無地。ネクタイは白黒の縞柄かシルバーグレーの無地、ポケットスクウェアは白の本麻、カフスボタン等のアクセサリーは白蝶貝やパールなど白いもの。靴はレースアップのストレートチップに靴下は白黒の縞柄か黒の無地を合わせるのが慶事の際の基本の装いになります。シャツをレギュラーカラーにして、ベスト、ネクタイ、靴下、カフス、ポケットスクウェアを黒色に変えれば弔事の際の基本の装いになります。
覚えるのはなかなか大変ですよね…。しかし、すべての昼の礼装の基本はモーニングコートの着こなしを知っていれば問題ないと言っても過言ではありません。
色使いや小物使いなどすべての礼装の基本として覚えておくと悩んだ時の手助けとなってくれます。もちろん、わからないことや悩んだことがあれば全国の五大陸へ、お気軽にお問い合わせくださいね!
from Ikematsu(JR NAGOYA TAKASHIMAYA)