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こんにちは。企画の後藤です。
朝晩の冷え込みが感じられ始めた10月の下旬、ネクタイの打ち合わせのため京都西陣を訪問しました。五大陸では地元の機屋様とのパートナーシップのもと、長きにわたり西陣織のネクタイをご提案しています。
西陣織とは京都の西陣エリア(上京区・北区)で生産される、多彩な糸を用いた先染高級絹織物の総称です。そのルーツは16世紀にまで遡り、当時の支配者層や富裕層に圧倒的な支持を受け、発展し、現在まで歴史は続いています。
この西陣は高温多湿で知られ、その気候条件が絹糸の生産に適していたので発展を後押ししたといわれています。西陣といえば、着物で大変有名ですね。昭和後期に国の伝統工芸品に指定された、由緒ある織物なのです。
その製法は非常に手間暇がかかるもの。最初にデザインを起こし、それをもとに「紋意匠図」と呼ばれる紋紙(設計図)を作成します。そのデザインに必要な糸を選定、糸の染め行程に入ります。染職人の勘により、様々な染料を組み合わせ、理想とする色を再現していきます。染めあがった糸は、「整経」と呼ばれる織機に糸を掛ける準備に入り、製織されます。これが一つのデザインにつきそれぞれ、職人の経験をもとに行われるものなので、その工程の大変さは想像に易いと思います。
西陣織の特徴は、色の深さとその質実剛健さ。美しい目風の織物としてのクオリティの高さは、旧い時代から脈々と受け継がれる日本の技術の賜物。五大陸のネクタイは、牛肉で例えるならば国産和牛のA5ランクの良質なシルクを用い、非常に高密度に織り上げています。ネクタイに相応しい品質を作り上げるため、糸の番手や撚りの回数にまでこだわって作られています。
織上がった生地は、職人さんの手で一つひとつ丁寧に縫い上げられます。(※中にはマシンメイドの商品もございます。)
きゅっと首もとで締め上げたときに、絹鳴りの音ときれいなディンプル(えくぼ)ができるネクタイが、良いネクタイの証。そして良いネクタイは、全くと言っていいほど緩みません。朝締めた理想の状態が夜まで続きます。
裏側にあるストーリーに想いを馳せて、日本の伝統工芸を日々の生活にとりれてみるのは如何でしょうか?
from Goto
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